ここ最近、製造業に関しては、日本の存在感が希薄化しているといった声を聞く事が増しています。
具体的に言うと、ちょっと前は、日本製のテレビが高く評価されていましたが、最近では安価で高品質な、サムスンであったり、LG等、韓国企業に押され傾向にあります。
そういう中、依然として、日本が圧倒的なシュアを有する製品があるのです。
それについては、「カメラ」です。
日本製のカメラのシュアとは、コンパクトデジタルが78%、一眼レフカメラに至っては、驚いてしまいますが、99%を占めているのです。
ほとんど、日本のメーカーがカメラの市場を独占的にしている状態にあります。
だったら、日本製のカメラはなぜこれだけ圧倒的なのか?
日本がカメラに強い理由は?
全世界のカメラ市場というのは、1950年代くらいに掛けては、ライカ、コンタックスとか、ドイツのカメラメーカーが、爆発的な存在感を示していたようです。
現在では、主力の日本のメーカー、キャノンであったりニコン等も、ドイツに対抗しようとしてたのですが、この頃は、依然として太刀打ち出来なかったのです。
だとしたら、日本のメーカーが存在感を表し始めたというのは、いつ頃なのでしょうか?
それは、1950年の朝鮮戦争がきっかけだったという説があげられます。
この際の従軍記者がニコンのカメラで撮影をしていて、「日本のカメラのレンズは優秀だ」と世界に注目を集めたというのです。
後々、ドイツのカメラについては、一眼レフ化や電子化の波に乗ることができず、日本に追い越される事となりました。
さらに日本のメーカーについては、ドイツの技師を日本に呼びその技術を学ぶ等、徹底的に海外の優秀な技術を採り入れる試みを行ってきたのです。
更に、それからも、各社独自の技術を磨き続け、海外企業が対抗出来ない域にまで、到達したのです。
カメラの海外メーカーはあるの?
無論のこと、海外にもカメラを作るメーカーはあるのですが、比較できないほど技術が稚拙で日本のカメラには遠く及ばないものがほとんどです。
だとしたら、ドイツのメーカーはどのようになったのでしょうか?
ドイツのメーカーについては、日本との開発競争や価格競争に負け、日本のメーカーに買収された企業も多かったそうです。
現在でも、ライカ等、一部のメーカーは残っていますが、デジタル市場では、いずれにしても、日本には全く太刀打ち出来ないそうです。
それでは、韓国サムスンはどうなのでしょうか?
デジタルカメラであるのなら、日本を脅かす製品づくりができそうですよね?
ですが、サムスンも、2015年には実質的に市場からの撤退を決断したそうです。
その表向きの原因は「携帯電話のカメラ市場に専念する」となっていますが、実のところ「日本を超越したカメラを作る事が出来なかった」ということが、本音なのです。
現在では、日本と韓国については、関係が悪化していて、日本製品の不買運動もあるのです。
そうであっても、カメラは日本のものを使う以外ないのが現状になります。
なぜ、日本は超えるカメラが作れないのか?
それでは、海外ではどうして、日本を超えるカメラを作ることが難しいのでしょうか?
その理由は、「日本人の気質とカメラ作りがフィットしているから」とされる説が存在します。
カメラ作りには、すごく繊細な技術や忍耐が求められるのだそうです。
意外なものとして「一眼レフカメラを作るためには、ロケットを作るよりもっと高度な技術が不可欠である」という声もあって、カメラを作る事が、どれくらい難しいかが分かりますね。
日本人は元来、繊細な気質で、物作りに対しては、完璧を求めるところがあるのです。
そういう点が、精密性を求められるカメラの製造とピッタリだったというのです。
しかも、品質の高いカメラを作るためには、全部ひっくるめた部品を高品質にまとめることが求められます。
各メーカーは、双方ともに切磋琢磨し、関連する部品メーカーと共に開発を続け、カメラの完成度を上げ続けてきたのです。
そのおかげで現在の日本のカメラになっていったのです。
そう簡単には超えられないという事は、簡単に想像できますよね。
日本のカメラを分解した結果・・・
日本のカメラのすごさを物語る、1枚の写真が海外の方たちの間で話題となったのです。
その写真というのは、日本製のデジタル一眼レフカメラを分解して、部品を全て並べたものとなります。
これを見た海外の方たちの反応ということは、「日本のカメラが値段の高いのもやむを得ない」「ここまで複雑なものを形づくれるのは、日本人しかいない」「日本のカメラはこれまでより高額でもいいくらいだ」等、驚きの声であふれかえっていたのです。
現在のところ、デジタルカメラは、スマホのカメラが高性能になったことによって、市場が縮小され出したとのことです。
世界の市場を占有する日本のカメラメーカーではありますが、売り上げについては四苦八苦しているというのです。
ですがその技術力を屈指することによって、何とか新たなる活路を見つけてほしいですよね。