皆さんは「フッ化水素」と聞けば、何を思い起こしますか?
歯医者の虫歯予防のフッ素をイメージする人もいるのではないでしょうか?
ですが、虫歯予防のフッ素というのは、フッ化ナトリウムと言われるもので、一緒のフッ化物ではありますが、フッ化水素とは別物になります。
このフッ化水素というのは、最近、韓国への輸出管理の厳格化したことによって話題になっています。
それから、純度の高いフッ化水素を作るための技術については、日本にしかないことから、韓国が困惑しているとのことです。
なぜフッ化水素がそれほどまで重要なのでしょうか?
それから、なぜ日本国以外の国については作れないんでしょうか?
フッ化水素とは?
では、フッ化水素がどういうものなのかをみていきたいと思います。
フッ化水素というのは、フッ素と水素ででき上がった化合物で、すごく毒性の強い物質ということで知られています。
その致死量というのは、驚くことに、1.5gくらいなのだそうです。
皮膚に引っ付いただけであっても、体内に入り込んでしまうことから、実験等で、使う時は、手袋だけではなく、マスクをきちっとつけなければいけないのだそうです。
これだけ危険な物質が、基本的にどういうものに使われているのでしょうか?
フッ素水素は、何に必要なのか?
このフッ化水素というのは、フッ化物の製造に使われていて、身近なものでは、フライパンに使われるフッ素樹脂、エアコンあるいは冷蔵庫に必要なフロンなどがあります。
さらにサリンや核兵器であったり、危険なものにも、製造に使えることから、その扱いは非常に慎重にしないといけません。
ですが、数多くある使い道の中で一番重要とされるのは「半導体の製造」になります。
フッ化水素のほとんどすべての、金属を溶かすというような性質が、半導体製造に絶対不可欠なのです。
そのうえで、半導体の製造に使うフッ化水素については、99.999%以上の純度が求められていて、このグレイドのフッ化水素を製造できるのは日本だけと言われています。
だったらなぜ、日本ではここまでの純度の高いフッ化水素が作れるのでしょうか?
なぜ日本以外でフッ化水素が作れないのか?
現在では、フッ化水素のシュアについては、日本が全世界の7割程を占めているのです。
その中でも、半導体に使われる純度の高いフッ化水素については、大部分は日本が独占しているとのことです。
純度の高いフッ化水素を大量生産するために、製造するときのバルブないしはタンクを溶けない素材で作る、容器に入れる時には、不純物が混ざらないようにしたり、色々な技術が欠かせません。
この技術を持っているのが、ほとんど日本ばかりで、それどころか、日本でもステラケミファと森田化学工場の2社が大半独占しているとのことです。
その上、この技術の特許を持つのが、森田化学工場とのことです。
こういうことから、純度の高いフッ化水素については、日本以外の国で作ることができないそうです。
また、フッ化水素を他のものから、代用する研究も進められているのですが、現状では実現することが出来ていないのです。
フッ化水素がないと、半導体を作ることは不可能なので、世界の半導体を日本が支えていると言っても言い過ぎではないでしょうね。
フッ化水素がないとどうなってしまうのか?
この半導体については、スマホやパソコン等の機器に絶対必要なものになります。
半導体を作る事が不可能な場合、スマホやパソコン等を作る事も不可能になってしまうのです。
現に日本からのフッ化水素の輸出を制限された韓国については、半導体産業が大打撃を受けたのです。
ようやく自国でフッ化水素の製造しようとしたのですが、でき上がったフッ化水素で作った半導体については、iPhoneに不具合をもたらしたのです。
そんなふうに、半導体の製造においては、日本産の純度の高いフッ化水素が欠かせなくて、それ以外の国のフッ化水素は純度が低く半導体製造がほとんどスムーズにいかないのです。
世界の半導体を日本が支えているというのは、なにかしらすばらしいですね。
ですがこの度の韓国への輸出管理の厳格化騒動において、韓国でも純度の高いフッ化水素を作る技術が完成され始めたそうです。
これから先も日本が半導体産業を先導していけるどうなのか、注視していきたいと思います。