かなりの機械の部品を製作する村田製作所。
そのような、村田製作所がこれまでにはなかったセラミックコンデンサを開発して、話題になっているのです。
このコンデンサというのは、これから、市場に出るだろう5G対応のiPhoneにおいても、搭載されるのではないか?と期待が寄せ集められているのです。
ですが本来、コンデンサというのは、どういったものなんでしょうか?
それからなぜ、村田製作所が作ったコンデンサが話題を呼んでいるのでしょうか?
一体全体、コンデンサとは?
「一体全体、コンデンサというのは何?」とイメージした人も少なくないのではないでしょうか?
日々の暮らしの中においては、そんなに聞かない単語ではないかと思われます。
コンデンサというのは、私たちが日常、利用する電化製品に絶対必要な部品になります。
コンデンサがあって、電化製品については、正しく動作することを可能にするのです。
それでは、電化製品において、コンデンサというのは、どんな役割をするというのでしょうか?
コンデンサについては、電子回路内で電気を貯めたり、放ったりする役割を担っていて、電源自体ということで、利用されることだってあります。
このような性質から、以前だと「蓄電器」と言っていたのです。
このコンデンサというのは、絶縁体を金属で挟んだ構造をしていて、この絶縁体の種類や金属の形状によって、特徴や用途が変わります。
コンデンサはおおまかに分けると、固定コンデンサと可変コンデンサの2種類があるのです。
固定コンデンサの代表的なものにについては、電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、セラミックコンデンサがあるのです。
そんな中で、セラミックコンデンサというのは、携帯電話やテレビ、ラジオ等によく使われているのです。
積層セラミックコンデンサとは?
村田製作所が、今回開発した物凄いコンデンサについては、積層セラミックコンデンサになります。
この積層セラミックコンデンサというのは、スマートフォンに絶対不可欠なもので、日本企業が世界のシェアの50%以上を占めているのです。
特に村田製作所は、40%と世界トップシュアを有するのだそうです。
積層セラミックコンデンサというのは、セラミックを積層にすることから、小型化に成功したもので、具体的に言うと、1005サイズというものは、縦1.0㎜×横0.5㎜くらいの大きさしかないのです。
ここまで小さいというのに、熱に強く、高周波特性に秀でている等、かなり高性能。
更に、スマートフォンにおいては、この部品が、驚くことに、1台につき800個から1000個くらいも使われているそうです。
村田製作所の偉業
スマートフォンになると、非常に多く入れなければならない積層セラミックコンデンサについては、小さいのなら小さい程、いいという事は、何とはなしに想像する事ができますよね。
ということから、より一層、小型化を進めているのです。
ですが、現在においても、十分小さいのにもかかわらず、これよりもっと小さくする事は、至難の業ですよね。
ですが、村田製作所が2019年の12月に発表した物は、驚くことに、現在に至るまでの1/5位の大きさなのだというのです。
一足飛びに、そこまで小さくするというのは、とんでもないことではないでしょうか。
かなりの小型化に成功したことから、その割合に応じ、バッテリーの容量を増やすことを可能にするとの事です。
iPhoneのバッテリー切れに困惑したことのある人も多いのではないでしょうか?
これから、登場する5Gの新しいiPhoneについては、従来よりも、より一層、長くバッテリーが持つことになるかも知れないのです。
日本がリードできる理由
ですが、なぜ日本は積層セラミックコンデンサのシュアを、リードすることができるのしょうか?
日本で積層セラミックコンデンサを作る企業については、村田製作所だけじゃなく、TDK、太陽誘電などが挙げられます。
このような製造メーカについては、積層セラミックコンデンサそのものの製造に加えて、それを製造する装置であったり、設備も自社で製造しているのです。
これに伴い、これらの技術が外部に漏れづらく、日本のメーカーの技術的な優位性が保持されているそうです。
その中でも、世界トップのシュアを有する村田製作所は、材料のセラミックの製作も自社で行なっていて、仮に一部の製造工程を盗む事を出来たとしても、パーフェクトにを再現することなどできないと考えられているのです。
そして技術者が流出する事がないように、予想以上に注意をしているそうです。
この積層セラミックコンデンサというのは、かなりの電子機器の小型化と共に、需要に供給が追いつかない状況が続いているのだそうです。
このことから、多くの積層セラミックコンデンサを作るメーカーで、生産パフォーマンスの悪い大型のものを作ることを中止するそうです。
そうなってしまうと、小さいサイズを要しない家電等のメーカーも、積層セラミックコンデンサのメーカーの方針に従わざるを得なくなるのです。
積層セラミックコンデンサを作る、日本のメーカーが、全世界の電気製品のカギを握ると述べましても過言にはなりませんね。
村田製作所は歴史というのは、そんなに長くないとは言え、戦後の電気製品に大きな影響をもたらしたとのことです。
それから、ウェアラブル端末やIoTの普及によって、これからも、より一層、積層セラミックコンデンサの需要については、拡大するのではないでしょうか。
村田製作所はこれからも、そのシュアをリードすることによって、電気製品に影響を与え続けることになります。
日本というのは、資源が少ないと考えられているのですが、技術的な資源については、いっぱいあります。
これから先も、新しい技術的な資源が生まれる事を、期待したいですね。