近頃では、youtubeあるいは動画アプリ等がユーザビリティが良く、スマホあるいは、パソコン等によって、色々なコンテンツを楽しめます。
そんな理由から、若者を主として「家にテレビがない」とされる人も増えてきているそうです。
ですが、日本以外のたくさんの国では、依然としてテレビは健在で、テレビの性能の上昇も飛躍的なものがあるのです。
その一つが、テレビなどのようなスクリーンに採用される、「有機EL」という技術になります。
この有機ELの技術というのは、韓国が特に進んでいて、日本は遅れをとっているというのが現状です。
ですが、2019年末、日本の企業が有機ELに対する、世界初の偉業を成し遂げたそうです。
果して、どのような偉業を成し遂げたのでしょうか?
有機ELとは?
さっそく、有機ELがどういう技術であるのかを、簡単に紹介しようと思います。
有機ELというのは、近頃では、iPhone Xのディスプレーに使われるようになったことにより、話題になりました。
この有機ELについては、大型テレビにおいても、取り扱われつつあるというわけです。
それでは、有機ELディスプレーと、ごく普通の液晶画面だったら、どのような違いがあるというのでしょうか?
詳細にみていけば、かなりの違いがあるのですが、大きな違いはディスプレーの薄さと柔軟性、黒の発色においての、映像の美しさだというのです。
こういう違う部分は、液晶と有機ELの、ディスプレイに映像を映す仕組みが、違うところによるのです。
液晶については、パネルにバックライトを当たることから、映像を映す仕組みとなっているのです。
一方で、有機ELというのは、光る素子を使って、映像を映しているのです。
有機ELの方が映像を映すメカニズムがシンプルなことから、ディスプレイを薄くすることを可能にするのです。
現在では、パナソニック等、日本のメーカーにおいても、有機ELを使った大型テレビを販売しているのですが、日本のメーカーで使っているディスプレーについては、韓国の企業LGで作っているものであるそうです。
どういうわけで、日本産のタイプを使わないのでしょうか?
現時点での有機EL市場
現在での、有機EL市場というのは、全般的に韓国に独占されていて、スマホの有機ELについても、韓国の企業サムスンの完全制覇となっているのです。
それでは、日本の有機EL開発というのはどういう状況なのでしょうか?
基本的に有機ELを作ろうとすれば、もの凄く、巧みな技術が必要不可欠で、何にも増して、テレビに用いるような大きなものであるなら、すごく難しいそうです。
そういう理由から、開発を諦める企業がほとんどで、日本においては、スマホ用の有機ELは、開発されはじめたものの、テレビ用の有機ELというのは、おいそれとは、開発出来ないままでいたそうです。
そういう中、韓国に独占化されてきた有機ELの勢力図を塗り替えるかも知れない、最先端の技術を日本の企業が開発したのです。
それは果たして、いかなるものなんでしょうか?
印刷方式での有機ELの量産ラインは世界初の技術!
有機ELの研究開発をやってきた日本の企業JOLEDについては、2019年11月に世界初である、印刷方式での有機ELの量産ラインを成功させたのです。
OLEDについては、2015年にパナソニックとソニーの有機EL部門が、合同で設立した会社になります。
2018年においては、能美事業所を開設して、今回、話題になった、印刷方式においての有機ELの量産ラインを完成したというわけです。
印刷方式というのは、有機ELの材料をガラスやプラスティック等に塗布して、形成するという技術になります。
円形や曲線等、自由な形のディスプレーや、薄くて軽いディスプレーの製造ができるのです。
これから、この事業者では、4Kの車載用モニターであったり、タブレット端末の製造等、中型サイズに至るまでのディスプレーの製造を手掛けるのだそうです。
いずれにしても、世界初の技術なんてスゴイのではないでしょうか。
けど、どういうわけで、この技術が、「有機ELの勢力図を塗り替える」とさえ言われてるんでしょうか?
印刷方式の有機ELについて、何がすごいのか?
現在では、有機ELを作る方法においては、現在に至るまでメインだった蒸着方式と、この度、JOLEDが量産化が実現した印刷方式があるのです。
現時点で、一般に取り入れている、蒸着方式については、真空の中で、材料の加工を行なう必要があったのです。
これには、高精度の技術が必要不可欠で、課題も数多くありました。
そのうえで、とにかく、生産効率が悪く、費用が掛かるというような大きいデメリットがあったワケです。
ですが、JOLEDが考えた印刷方式については、蒸着方式と比べ、生産効率が高く、費用を抑えることができるというようなメリットがあるのです。
有機ELのディスプレーについては、高価な印象が強いのですが、印刷方式だったら、より一層、安い値段で、さらには、性能も高いものを提供できることがあり得るとのことです。
性能が高く、さらに、安い有機ELがあるならば、かなりの企業については、そちらの方を選ぶはずです。
現時点で、JOLEDにおいては、印刷方式の有機ELについては、32型までの中型サイズのディスプレーだけに限られた参入を考えているとのことです。
ですが、これから、印刷方式がメインとなったら、大きなサイズのディスプレーでも取り扱われていくかもしれないですね。
そうなったら、100パーセント有機ELの勢力図が塗り変わるのではないかと思います。
印刷方式の有機ディスプレイの量産体制については、まだまだ始まったばっかりで、これから、波に乗れるかについては、まだ不透明になります。
ですが、成功したら、有機EL市場で、日本が一足飛びに、巻き返す公算が大きくなるでしょうし、有機ELを使用した大型テレビも、これから、もっと安く購入することができることとなるかもしれないですね。
日本がつくり出した、印刷方式の技術が、世界中に拡大される日が来る事を願いたいですね。