最強の量子コンピューターとされる「トポロジカル量子コンピューター」。
現段階でこの開発が、さかんになります。
開発のカギを握ることが、「マヨラナ粒子」になります。
この粒子というのは、天才物理学者「エットーレ・マヨラナ」が1937年にその存在を予言したものとなります。
それ以降、マヨラナ氏は、どういうわけか忽然と姿を消してしまい、マヨラナ粒子も長期間、見つけ出されずにいたのです。
本日は、そのようなマヨラナ粒子とマヨラナ氏失踪の謎について紹介させて頂きます。
80年前に予言されていた幻の粒子
天才物理学者エットーレ・マヨラナについては、1937年、「フェルミ粒子の中においては、粒子と反粒子の区別がつかない変わったものが存在する」と予言したそうです。
こういうおかしなフェルミ粒子というのは、後に「マヨラナ粒子」と名付けられたのです。
基本的に、フェルミ粒子というのは、物質を構成する電子・陽子・中性子だということです。
これらについては、すべて粒子と反粒子が対であって、普通なら、別の粒子になります。
マヨラナ粒子というのは、まったく発見されない状態で80年以上も経ちました。
ですが2018年、日本の研究者たちが、ようやくマヨラナ粒子を捉えることに成功したというわけです。
日本が幻の粒子を発見?!
このマヨラナ粒子を見つけたのは、京都大学、東京大学、東京工業大学の研究者グループになります。
この研究グループが素晴らしい所は、マヨラナ粒子を発見しただけでなく、高い温度だったとしても、量子化現象を起こせる事も、明らかにしたことなのです。
マヨラナ粒子というのは、キタエフ模型というものを使う実験で発見されれたのです。
キタエフ模型の候補については、現在チラホラ見つかっているのですが、この研究グループについては、それらの中から磁性絶縁体α-RuCI3などを使ったのです。
この実験においては、熱ホール伝導度を精密に測定したことにより、マヨラナ粒子と一緒の特徴を持つ粒子が現れたとのことです。
これまでだと、マヨラナ粒子の量子化現象が現れる温度というのは、1/100ケルビンとされる極低温だとされていました。
ですが、この研究だと、それどころか、極めて高い5ケルビンくらいで、量子化現象がみられたと言うのです。
これはトポロジカル量子コンピューターに利用することができる、ものすごい発見なのだそうです。
最強の量子コンピューターの実現へ
現在でメインの量子コンピューターについては、超電導量子ビットを使ったものになります。
このシステムの量子コンピューターというのは、0と1の量子的重ね合わせ状態を使っていることになりますが、この状態はかなり不安定。
そういう理由から、温度や磁場等の環境ノイズに、影響を受けやすいとされる欠点を抱えているのです。
ですが、ポロジカル量子コンピューターが出来上がれば、これまで以上に動作を安定させることが適うとのことです。
そのうえで、完成に欠かすことが出来ないのが、環境ノイズに強いマヨラナ粒子でした。
今回の研究することにより、トポロジカル量子コンピューターの開発というのは、大きく進展するはずです。
マヨラナはどういうわけで失踪したの?
ではどうして、エットーレ・マヨラナについては、突如として、失踪したのでしょうか?
マヨラナ氏がマヨラナ粒子を探し出したのは1937年、マヨラナ氏が失踪したというのは、その翌年の1938年のことだったのです。
当時、マヨラナ氏については、船でナポリからパレルモへ航行中だったとのことで、その船の中において、行方不明になったとのことです。
そうして、それっきり見つかる事はなかったのです。
局面だけ見れば、マヨラナ粒子がきっかけとなって失踪したのではないか?と勘ぐりたくなっちゃいますよね。
もしかして海に身投げでもしたのでしょうか?
ですが、この事件については、2015年になってから、思いがけない展開を見せたのです。
驚くことに、マヨラナは生存していたと、ローマ検察庁が発表したとのことです。
マヨラナを発見したのは、ベネズエラのバレンシアだったのです。
ローマ検察庁が1955年に撮影されていたマヨラナの写真を検証、本人であると、決定づけました。
ですが、おかしな事に、その写真の顔については、失踪から20年くらい経過しているというのに、ぜんぜん変わっていなかったとのことです。
この状況は、果たしてどういったことなのでしょうか?
このミステリアスな事件は大勢の人の興味を引き、この謎に差し迫ったいろいろな書籍も残されているのです。
なお、日本語でも「マヨラナ 消えた天才物理学者を追う」とされる書籍が市販されていますので、興味のある人はぜひとも読んでみて下さいね。
マヨラナ粒子については、その粒子そのものが、奇妙なものなのですが、この粒子の存在を予言したマヨラナも謎に覆われているのです。
マヨラナ粒子の発見で、将来、コンピューターはより一層、進展するだろうと考えます。
何だか、楽しみなような怖いような感じがしますよね。