皆さんは、イオンエンジンといった言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
イオンエンジンというのは、惑星探査機「はやぶさ」に搭載されていたエンジンで、このイオンエンジンにより、はやぶさのプロジェクトについては、大きく発展したそうです。
それでは、イオンエンジンと世間一般のエンジンには、どのような違いがあるというのでしょうか?
そのイオンエンジンのすごさを紹介したいと思います。
イオンエンジンとは?
イオンエンジンとは、1990年代前半に創られたものとなります。
このイオンエンジンとは、推進剤とされて使用するガスをイオン化して、電気の力で放って推進力を獲得するロケットエンジンということです。
出せる力というのは、さほど大きくないですが、僅かな推進剤で長時間動かすことが可能なことや、大きな速度変化を与えられることから、惑星探査機であったり人工惑星などに欠かすことが出来ません。
このイオンエンジンについての信頼性が高まったというのは、日本の惑星探査機「はやぶさ」に搭載したことがきっかけだそうです。
イオンエンジンの仕組み
それでは、イオンエンジンはどういう仕組みで動くというのでしょうか?
ごく普通のエンジンというのは、化学燃料を燃焼させ、推進剤を放つことによって、前に進む力を作ります。
このようなエンジンを「化学推進」と言います。
一方で、イオンエンジンについては、「電気推進」というものの一つになります。
燃料として、使われるのは希ガスになります。
この希ガスをプラズマ化して、プラスイオンとマイナスイオンに分けるのです。
その中のプラスイオンを推進剤とし使って、静電気の力で放出して前に進む力を確保するのです。
この希ガスにおいては、ほとんどの場合、キセノンガスが使われます。
イオンエンジンの可能性
このイオンエンジンというのは、かなり燃費が良いことから、通常のエンジンと比べて、重量が軽くなる部分が最大のポイントになります。
惑星探査機においてのプロジェクトについては、燃料を膨大に積むことが欠かせません。
このことから、探査機が重くなってしまって、プロジェクト達成を厳しくしてしまうかもしれません。
ですがイオンエンジンの登場によって、積む燃料については、約10分の1にまで抑える事ができるのです。
イオンエンジンについては、毎年改良を加えられることから、先々より一層、性能が上昇し、宇宙開発の全身を支える大きな存在となりそうですね。
かたわらで、イオンエンジンにおいては、デメリットも存在します。
これについては「出せる力が小さい」というポイントです。
その力については、1円玉を支える程度しかないというのです。
ですが、これまで以上に電圧を上げる事ができるなら、大きな力を獲得する事ができるらしく、その力については、現在までのエンジンを上回るだろうと考えられます。
イオンエンジンの開発がより一層、進むことで、太陽の重力においても、引けをとることなく宇宙を自由に旅できる、そういう夢みたいなエンジンの誕生もあり得ると、専門家陣は期待しています。
はやぶさのイオンエンジン
それでは、はやぶさに扱われたイオンエンジンというのは、どんなものだったというのでしょうか。
日本の衛星や探査機等の内において、イオンエンジンが扱われたというのは、このはやぶさが初めてだったのです。
はやぶさのエンジンにおいては、キセノンガスが使われています。
このガスをプラズマ化させる方法は、複数あるのですが、はやぶさのイオンエンジンというのは、世界で初めてマイクロ波を使用する方法を採用しているのです。
はやぶさに積み込まれたイオンエンジンについては、トータルして4基です。
このうち3基をいずれも運転させました。
これも史上初めての試みだったのです。
なお、はやぶさにおいては、スイングバイにも挑戦しているのですが、イオンエンジンでの、スイングバイも史上初めてだったそうです。
そのうえで、このイオンエンジンのお陰で、累積4万時間とされる世界最長運転時間も記録したというわけです。
はやぶさというのは、いろいろな「史上初めて」にチャレンジして、達成させるという、偉業を実現したのですね。
イオンエンジンというのは、宇宙の調査や開発においては、どうしても必要な存在になります。
先々より一層、進化を遂げると、宇宙の謎が解き明かされるだけに限らず、私たちが宇宙を自由に旅することができる日も来るかも知れません。
そんな日が来ることを心まちにしましょう。
皆さんは宇宙旅行が出来るとしたらまずはどこに行きたいでしょうか?
そして、そこで何をしたいでしょうか?