地球と同じ太陽系の惑星金星。
この金星については、過去には、地球と同じような環境だったとされる説が浮上しているのです。
現在の金星というのは、スゴイ過酷な環境なことは、誰でも知っている通りになります。
そのような金星が地球と同じような環境だったとも考えられるなどと、そう簡単には想像できませんよね。
それについては果たして、どういうことなのでしょうか?
金星とは?
ということで、今、現在の金星の姿をシンプルに確認しておきましょう。
地球と金星の距離については、約1億5000万kmになります。
地球に最も近い惑星なのですが、地球と月の距離の10倍以上離れているのです。
金星の大きさについては、直径約1万2104㎞です。
これは、地球の約95%くらいの大きさとなります。
質量については、地球の約82%になります。
どういうわけか、地球と金星というのは、大きさや重さが似てる気がしませんか?
驚くことにそれ以上に、内部構造も地球に瓜二つで、「地球と双子みたいだ」と語る人もいるくらいなのです。
厳しすぎる金星環境
ですが、今現在の金星の姿については、地球とは別物のものとなります。
何より金星の温度。
金星については、大気の成分の大部分が二酸化炭素なのです。
それにより、温室効果によって、太陽に、一層近い水星より、温度が高くなっているのです。
その温度というのは驚く事に、470度です!
それについては、太陽系の惑星において一番高い温度になります。
また金星は厚い雲で覆われていることにより有名ですが、この雲の下では、硫酸の雨が降っているのだそうです。
金星は「ビーナス」とされる名称とは全然違う、地獄の環境と言えます。
にも関わらず、過去は、地球と同じほどの環境だったなんて言われる、想像することができませんよね。
金星の7億年前までの姿
だったら過去の金星というのは、そもそも、どういう姿なのでしょうか?
NASAの研究チームが2019年9月に表明した最新の発表においては、金星の観測データを背景に、シミュレーションをしたところ、金星は7億年以上以前までは温帯気候で浅い海を有していたこともあり得る、そうです。
金星に海が有していた可能性については、40年前の金星の調査の際にも示唆されていたそうです。
ですが、金星は太陽に近いことから、気温が高く、地球と同様に液体の水を有することは無理ではないか?と考えられていたそうです。
ところが、今回の研究で、5つのパターンのシミュレーションをしたところ、20度から50度の温度を安定的に保つことが可能な事が判明しました。
この温度だとしたら、地球とほとんど変わらないので、液体の水を保つ事もできるというわけですね。
金星は、なぜ変わってしまったのか?
だったらなぜ、金星は、今のような地獄の環境に変わってしまったのだろうか?
この原因は、7億年前に起きた大規模な火山活動が要因だと想定されています。
みなさんは、噴火した山の映像を見たことがありますか?
噴火した山から、すごい量の赤いなマグマが流れる事がありますよね。
このマグマからは、大量の二酸化炭素が発生しています。
金星の火山活動に関しても、大量のマグマが噴出して、大量の二酸化炭素が放出されたことも考えられます。
基本的にこのような、二酸化炭素というのは、再度、地表等に吸収されることになりますが、大量のマグマが蓋をしてしまって、吸収されることなく、残ってしまったと考えられるのです。
これに伴い、大気中に大量に残された二酸化炭素が、温室効果を向上させたと考えられます。
驚くことに、似たような出来事については、太古の地球でも引き起こされていた痕跡があるのです。
この際、地球においては、生物の大量絶滅があったようです。
ですが、金星の火山活動については、こっちよりも、比べ物にならないほどスケールの大きい規模だったと考えられます。
結果として、金星は、今のような姿に変貌してしまったと考えられるのです。
金星というのは、大昔、地球と一緒のような環境だった可能性もあるというのは、胸が高鳴りますよね。
ですが、この度のシミュレーションで明確になったことは、基本的に水があった可能性についてとされていて、現実的にあったか否かを証明出来たということではありません。
ただし、これからも研究を進めることによって、これまで以上に新たなる事実が判るかも知れませんね。
さらに、この度の研究によって、ハビタブルゾーン外の惑星においても、水がある可能性が出現しました。
地球外生命体の探索に及ぶまで、新しい可能性が見えてくるかもしれないですね。