宇宙はビッグバンにおいて、誕生したことが、現時点での定説になりますが、これをひっくり返すかのような事実が明らかになったかも知れないのです。
驚くことに、現在、宇宙最古の星とされている天体が、ビッグバン以前から存在していたことがあり得るというのです。
これは一体どのようなことなのでしょうか?
本日はそういう宇宙最古の星、「メトシェラ星」について紹介しようと思います。
宇宙の年齢というのは?
宇宙誕生のその瞬間を、当然ですが誰も見たことなどありません。
従って、どういうふうに誕生したというのか、どれぐらい前から始まったのかということを、推測する他はないのです。
現段階では主流であるのが、宇宙というのは、火の玉っぽい状態から始まったと考える「ビッグバン宇宙論」になります。
ビッグバンから誕生した宇宙が、インフレーションにより、急激に膨張したというわけです。
更に、宇宙が誕生したというのは、本日より138億年前と考えられていて、誕生したばかりの宇宙においては、天体はかけらもないそうです。
宇宙最古の星メトシェラ
それでは、宇宙最古の星の年齢というのは果たして、何歳なんでしょうか?
現段階では、確かめられている宇宙最古の星については、「メトシェラ星」とされる天体になります。
このメトシェラ星というのは、天秤座の恒星になります。
発見されたのは、ずいぶん前だったのですが、明確な年齢については、はっきりとしていませんでした。
ですが、2000年ころの調査において、明らかになったこの星の年齢というのは、びっくりする事に160億歳なのです!
宇宙の年齢を超越してしまっています。
この結果は専門家らの頭を悩ませる事になったのです。
例えば、この星の年齢が間違いないということなら、宇宙の年齢が間違いという懸念も引き起こされるからです。
メトシェラ星はビッグバンの前から存在したの?
「宇宙の年齢に誤認識などあるはずがない!」と信じて疑わない専門家らについては、メトシェラ星の観測に誤りがあったに違いないと思い、以前にも増して、正確な観測に努めました。
余談ですが、メトシェラ星というのは、地球からの位置がわりと近いことから、正確な測定をすることが簡単なんだそうです。
そういうことから、出た結果というのは、145億年(誤差±8億年)になったのです。
専門家らはこの結果を目にして、「誤差を含めると矛盾しない範囲に収まった」と安堵したそうです。
ですが「果して現実的にそうなのだろうか?」と思う人もいるとのこと。
そう言われると誤差を低い方で見積もる事で、137億年ということで、ギリギリ矛盾はないと言えますが、何だか無理やり宇宙の年齢にフィットするようにしている感じもなくはないですよね。
さらには、高い方で見積もったら、結論として宇宙の年齢と比べて古いことになりますよね。
宇宙の年齢が違う可能性も
今の段階で、信じられている宇宙の年齢というのは、相対性理論を基準に、導き出されたものとなります。
そういう理由からかなりの専門家については、「宇宙の年齢は間違いないはずだ」と確信しています。
ですが、宇宙の年齢に関して、疑念を抱く専門家もいるとのことです。
宇宙の年齢を算出する際、ハッブル定数が用いられることになりますが、2017年に行なわれた衝突する天体を用いての計測においては、ハッブル定数がかみ合わず、従来とは違う宇宙の年齢が弾き出されたそうです。
本来、この宇宙の年齢というのは、「ビッグバン宇宙論」を基準にして算出していることから、このビッグバン宇宙論そのものが誤りだったとするなら、ゼロから考え方を見直さないとならないでしょう。
現実の上で、宇宙というのはビッグバンで誕生したのかどうか?
相対性理論は信用に値するのかどうか?
これに関しまして、王立天文学会の物理学者ロバート・マシュー氏というのは、「思考不可能なものを思考しないといけない時が来たのかも知れません」と述べているのです。
メトシェラ星の年齢というのは、現在に至るまで信じていたいろいろなものが、相違していることがあり得る事を、私たちに示したのです。
現在に至るまでも「そんな事あるはずない」と冷たくあしらわれてきた事が事実だった。
..なんて事を繰り返しつつ、科学は進歩してきたのです。
これから先もそのようなことを及ぼすかも知れませんね。
みなさんはメトシェラ星というのは、ビッグバン以前からあったと考えますか?