誰でも高速道路を運転されている際に、追い越し車線をいっきに駆け抜ける「商用バン」を目にした事があると思います。
スポーツ性において、高水準であるようには間違っても見えることのない、普通のカローラあるいは、ほとんど装飾がされているわけではない普通の車が、どういうわけで「高速道路の星」の如く、あれほど速く走れるのでしょうか?
本日はその謎を確認してみようと思います。
商用バンというのは?
大人になりますと、しばしば聞かれることがあったりするかもしれないですね。
私の会社のバンが…というフレーズというのは、どこの会社に行ったとしても、必ずと言っていいほど聞いた事があるにちがいないと思われます。
基本的に「バン」と普通の車に関しては、なにが違うというのでしょうか?
一般対象の乗用車と違い、商用バンであれば、カタログ性能というよりも、実用性を第一とされます。
最近では改良されたのですが、過去はビジュアル的にとても質素となっていて、ドアミラーや、前後パンパ―、ドアハンドルは塗装がされてなくて樹脂のままでした。
かなり無骨だったのです。
室内に乗るとこれといってアピールポイントがなく、必要最低限のスイッチ類が整然と並んでいるだけとなります。
ハンドルもかなりツヤツヤとなっていて、ウインドウは懐かしのクルクルと回すレギュレーター式なのもあって、エアコンはついているのですが、温度設定については当然マニュアルとなっています。
ヘッドレストがない、後部シートに関しては、板みたいに薄く、あきらかに座り心地が悪っぽいものでした。
その理由は、トランクスペースにウェートを置いたので、シートを折りたたむと、フラットになり、大きな荷物が載せることができます。
そうです、バンというのは、紛れもなく「道具」というわけです。
ビジュアル的に、実用感あふれたバンですが、目を引くところだけに限らず、重い荷物を積んでも、無難に走れるために、車体にも補強がなされているのです。
荷物運搬用と聞くと、単純な話かもしれないが、車体剛性が高いというのは、まさに車を製造する上では貴重な要素になります。
長時間もしくは長い期間、乱暴に使われて歪みが少ない車体については、実用性という事ではピカイチになります。
この他にも、豊富な積載能力と満載したとしても、走行性能を維持することから、高回転、高出力とは違い、低回転から十分盛り上がり、扱いやすいトルク特性と重量が増加しても、加速力を維持するというようなエンジンなのです。
わかりやすく言うと、一覧表機能より、実際の取り扱いの良さや、実用性にウェートを置いているという意味を含めて、商用バンについては、現代の車製造を先取りしていたとさえ言えることになるのです。
『商用バン』は実用性がメイン
実用性を重要視して、作られているというのが商用バンになります。
乗用車については、乗り心地あるいは快適性のことを考えて、ドアや室内の内張りに防音材を加えたり、その他のパーツと干渉する部品になるとゴム等を使って、弾力性を持たせるという工夫がされます。
ですが、『商用バン』については、そういうことは気に掛けないのです。
ドアのセッティングも、「強度であればよい」というのが大前提となります。
こんな感じなので、サスペンションさえも、耐久性と積載性が最優先となります。
重さを支えることが肝心とされることから、バネやダンパーの設定については硬めになります。
確固たる強度で装備されていること。
更には、重い荷物を乗せようが容易には、へこたれず、耐久性が高い。
それが最優先事項になります。
乗り心地というのは、二の次となるのです。
とことんまで、割り切った構成とされると、寧ろ清々しくもありますよね。
『商用バン」は優れたハンドリング
商用バンに乗ると物凄く、ハンドルが操作しやすいのにびっくりします。
強度を有した、サスペンション構造に関しては、遊びが少なく、ストレートに反応してくれるのです。
上級者だと、ハンドルから車体の状態が、ハッキリと伝わってくるので、どうしたら車体を安定させることが出来るのか?
車そのものがドライバーに示唆してくれることになります。
車としては、必要最小限の機能のみで、構成される商用バンについては、僅かな排気量のエンジンだとしても、きちんと走らせれば、高速道路だとしても高級車に負けることがない?
ハイペースで走行させることができてしまう強さを持っています。
今日の時点での、商用バン自体はおとなしいとは言え、トヨタ プロボックス/サクシードあるいは日産ADバンの現行モデルが一番最初にデビューした時期は、依然として双方ともに動力性能を競い合って、ゼロヨンタイムを競った販売促進ビデオも存在しました。
特に、プロボックスとサクシードについては、現在もワンメイクレースが開催されていて、インパクトの強いカラーリングのレーシングライトバンが筑波サーキットで熱いバトルを展開しているようです。
こういったように、割り切った、構成とされる商用バンがかえって、高速安定性にも高水準なのです。
現在の乗用車から比べれば、一番乗って楽しいというのが、商用バンかもしれないですね。