多種多様な物に使われているネジについては、分かっていらっしゃる通り、頭部には「プラス」「マイナス」、これ以外には「六角」「星型」といろんな種類の溝がございますよね。
皆さんは、なぜプラスとマイナスのネジがあるか、疑問に感じたことないでしょうか?
どれかに統一したら良いのになんて、思った方もいるかもしれません。
本日は、ネジにプラスとマイナスがある理由と違いに対して紹介したいと思います。
プラスネジとマイナスネジの歴史
ネジの歴史はと尋ねられれば、一番初めに登場したというのは、「マイナスネジ」だということなんですが、使用範囲が広範囲に及ぶに連れて、マイナスドライバーでネジ頭を回転させていると、ドライバーの先端が横すべりとなって溝から外れてしまい、不都合な面がたくさんでてきたのです。
したがって、新しく開発されたというのがプラスネジ頭だったのです。
プラスドライバーについては、どんだけ力を掛けたとしても横すべりする事もなく、作業上のリスクも回避することができます。
余談ですが1935年に米フィリップス社がプラスねじを開発して特許を取りました。
プラスネジのメリットとデメリット
現在での、世間一般に流通しているネジの9割は、プラスネジなんだそうです。
「プラスネジ」とされる物には、主流として「十字穴」「フィリップス型」というような種類が存在します。
ネジ頭部の溝とドライバーの先端を合わせた際に、おのずとドライバーの回転軸からネジへ、真っ直ぐ力を加えることが出来ますから、作業性に優れてます。
さらに、プラスネジの溝とドライバーの先端が適応しやすく滑りにくいことから、高速回転するネジ締め機においても、使う事ができるのです。
こんなふうに、プラスネジは利用価値の高い重要なポイントがたくさんあるため、大部分は家具・機器においては、プラスネジが使われているわけです。
プラスネジは「強く締めこむ」とされるネジそのものの効能で考慮すれば一番最適な形となるのです。
ですが、プラスネジは溝に水が入り込んで、ネジが錆びてしまう他に、ゴミがつまるとドライバーの先端が入らなくなる時があるというようなデメリットもあります。
さらには、大きさの合わないドライバーでねじを、無理に回しているうちに、ねじの溝が潰れ、言い換えれば「ねじをなめた」状態になります。
余談ながら、プラスネジを日本に最初に持ち込んだというのは、ホンダの設立者、本田宗一郎氏だと言われています。
マイナスネジのメリットとデメリット
一方で、マイナスネジについては、水やゴミが入り込んでしまうというような欠点はないといえます。
マイナスネジだと、水が掛かっても溝に沿って外へ流れ去っていきますし、ゴミが入り込んでも爪楊枝やドライバーで溝をなぞる事で、簡単に外へ引っ張り出す事ができるのです。
このことより、普段より、人の手が届きづらい場所や汚れやすい部分によく使われているようですし、水回りにおいても、マイナスネジが使われている事が多い傾向にあるのです。
更には、使いやすいプラスネジの方がニーズが高いのですが、マイナスネジが、なくなることがない理由があるのです。
その理由は、ねじ山をなめない(潰れる)事となります。
ですが、マイナスネジは溝とドライバーの先端がズレやすいとされる事から、作業効率はプラスネジとは異なり、良くないため、ほとんどの場合はそれほど使われていないと思われます。
マイナスのねじを使われるタイミングが減少しているのは勿論のこと、マイナスのねじを取り扱うお店も減少してきているようです。
相互の弱点をフォローする形式で、現在でもプラスネジとマイナスネジは共に存在しています。
こんな感じの理由で、統一はできないのです。
知っている方からすれば、常識的なことかもしれないのですが、初めて聞いた方には多少なりともお役立てれば光栄です。