火星に人類を送りこむ計画あるいは、火星を人類が住める星にする計画が存在していることはご存知でしょうか?
オランダの非営利団体「Mars One」は、2031年に初めての人類を火星に上陸するという計画を成し遂げるために、現在、細心の注意を払った準備に取り組んでいます。
最初の頃は、2023年の上陸を予定されていましたが、予算の問題であったり、帰ってこられる保証が一切無い状況に対しての非難の声等が多発したために、計画は円滑とは言えず、2031年とされる大幅な延期に踏み切ったといわれています。
その計画がうまくいくことに必要な費用というのは、概ね見積もっただけであっても数千億円も要されるとされていますことから、ここは注意深く準備していただいて、とにかく事故等もなく無事火星に行き着いてほしいですよね。
ところで、その火星というのは、基本的に人類が住める場所なのだろうか?
現在のところ、特別な器具なしで人類が火星で生きていくことはできない状況だと認識されています。
何故なら、火星にはもうすでに探査機はあるのですが、現在に至るまでの調査等から、火星は気温が氷点下になるくらい低く、びっくりすることにその平均気温は-43℃くらいであるとされているようです。
従いまして、火星を人類が住める星したいなら、その気温を上げる事が何よりも1つの大きな課題となります。
人類は火星に住めるのか?火星を開拓する必要はあるの?
火星には人類が住めるのかについて、今の段階で、理論的に言えば、住めるのだそうです。
とは言っても、火星というのは地球と一緒の環境とは現在のところかけ離れた状況です。
その平均気温に関しては-43℃にもなりますし、何といっても酸素もほとんどありませんし、植物もありません。
その事から、もしも人類が火星に住むのであれば、まず第一に空気を存在させるためのシェルターを構築してその中に住み、外出する時は、酸素マスクは必須アイテムで、紫外線から体を守ることに必要な装備もなくては困ります。
火星は地球とは異なり大気が薄いことから、その紫外線の影響を地球と比べて一段と強く受けてしまいます。
だとすれば、そのように労力を費やして、費用を掛けてまで火星を開拓する必要性というのはあるのだろうかと言うと、これについては、勿論のことあると考えた方が良さそうです。
なにより、現段階では、環境面や、人口の増加の問題等がしばしば取りあげられていますけれど、このことは私達人間の種を脅かすといったものじゃありません。
ですが、将来的にいつかこのような問題がいわば人類が生か死かというような問題に至るまでなった時に、地球から移動し住むことが可能な星を確保しておくというような事は必要となります。
無論のこと、それを避けるために対策に臨むことが重要ですが、もしも地球で致死性のウイルスが元になる伝染病が猛威をふるってしまった場合でも、そういった時一定の人口を火星に移動させておくことで、人間は種として生存し続ける事ができるのです。
なお、どうしてそもそも「火星」であるのかと言えば、地球の他で住める可能性が高い星としては、現実的に可能であると考えられている星が火星以外、他にないからです。
火星というのは、太陽系に属する惑星がある中から地球の隣に位置する星ですが、それでさえ地球から火星に何の問題もなく到着するためには7カ月程の時間がかかります。
さらに、火星は人類からすれば寒すぎますが、反対に太陽に近い側にある隣の星「金星」に関しましては、その表面温度が500℃に及ぶときもある等、ものすごい高温で予想以上に人類が住めるというような場所じゃないのです。
加えて、木星や土星はその核の周辺を厚みのあるガスが囲んでいるガス型の惑星のために、言うまでもなく、着陸することさえ出来ません。
要するに、現段階で人類が住めることがあり得るとすれば、これに関しては火星だとされます。
また、火星には植物は無いと言いましたが、火星には二酸化炭素、酸素、窒素、水というような生命に必要不可欠の元素があることもわかっています。
そういうわけで、火星はその開拓の状況次第で人類が住める星へとチェンジすることを可能にすることも考えられます。
住める星に変えるために火星の気温を上げる事が1つのテーマ
火星を人類が住める星に変えるためには何をしたらいいのかという事が、1つのテーマでそれは、火星の気温を上げることとなります。
火星の平均気温は-43度というような超極寒の地です。
人類が住むことを考えればすごく寒すぎますが、なんとそんな火星でも、赤道上ではその気温が日中20℃程度まで上がるという場所も存在します。
そのような事を聞くと何というか人類が住めるような感じもしてくるのですが、現実的には日中が20℃となる場所においても、夜になるとその温度はそれよりまた100℃近く下がってしまうのです。
それはどうしてかというと、大きな理由というのが、火星は地球とは違って大気がずいぶん薄いことになります。
火星を保温する役目を務める大気が少ないことから、太陽からの熱であたためられたとしても、すぐさま冷めてしまうことになるのです。
地球では、二酸化炭素の量が増加することによる温室効果により、地球の平均温度が上がる事が問題になっていますが、火星はそれとは反対にこのような温室効果ガスが星の周辺にはさほど存在していないことにより、熱を保持しておくことが難しいのです。
具体的に言うと、火星の大気圧は、地球の大気圧の160分の1ぐらいしかありません。
いわば、熱しやすくて冷めやすい星、まさにそれが火星なのです。
この辺から考慮して開拓していかなければ、火星を地球と一緒の何不自由なく住むことが可能な星に変えることは出来ません。
火星の気温を上げる方法
続いて、現実の上でその火星の気温を上げる方法に関してですがどういうものがあると思われますか?
その候補としてはいくつかあるのですが、そんな中で有力と考えられているものを紹介したいと思います。
まず、火星の気温を上げる方法としては、まず最初に挙げることができることは、その火星の大気中に温室効果ガスを放出させる方法によって、「PFC:ペルフルオロカーボン」とされる成分がその有力候補としまして挙げられているのです。
火星の表面にこのPFCを排出する工場を作って、大気中に続けてそのガスを排出させて行くのです。
そうすると、火星は徐々に温室効果がベースになって保温効果が得られるようになって、その工場の数を増加していくと、100年ちょっとでカナダっぽい気候に至るまで近い状態にすることが出来るとも言われています。
さらに、もう1つ有力候補ということで取り上げられるのが、巨大な鏡のようなものを使って火星の極地に日光を集め、その場所に固まっている二酸化炭素の塊、すなわちドライアイスを溶かし、大気中にある二酸化炭素比率を増やすことにより、温室効果を取得しようというものです。
このやり方を行っていけば、数十年たらずで水が流れ、植物等が育つ環境へとがらりと変えることができる可能性があると言うのです。
要するに、火星を地球と同じような温暖な星に変えるためには、温室効果が不足しているといった課題を克服する事は必要不可欠なのです。
金星の不思議
金星というのは地球より1つ太陽よりにある惑星なのですが、なんとこの金星は、それよりも太陽に近いエリアに存在する水星より高温となる事が分かっています。
更には、その原因の1つが、ずばりその「温室効果」となるのです。
火星は地球に比べると大気が薄く、大気圧は160分の1である話をしましたが、金星は反対にその大気圧が地球の90倍にもなるほど、厚みのある大気により覆われているのです。
すなわち、その星を温めたエネルギーが、宇宙空間に出ていくという事をまったく許さないことになるのです。
いわばサウナの中にいるような感じですね。
そのように考えれば、地球というのはすごく温暖で環境に恵まれた奇跡の星だと考えられるということです!