人属で現存を成し遂げている唯一の種。
人は我々自身に「ホモサピエンス」と名付けたのです。
1758年に「カール・フォン・リンネ」が分析を行なった、このラテン語の言葉の意味というのは「賢い人」となります。
この「賢き生物」は太古の昔、ただ単に「捕食者」に対し、怖がる、憐れな弱き動物でありました。
ご時世は進行して、あらゆることが変化して、この憐れな動物であった「ホモサピエンス」は「食物連鎖の頂点」に上り、地球を支配していると断言しても言い過ぎではない存在になっていったのです。
憐れな弱気動物である「ホモサピエンス」達に一体何が、正確に言うと、「私達人類」に何が生じたというのでしょうか?
東アフリカにおいて細々と過ごしていた彼等は、7万年くらい前に突然、全世界の様々な場所へ侵入して、他の人類を駆逐していってしまいました。
本日はそういった、私もしくはあなたが何の為に今ここに存在しているのかを考えていきたいと思います。
これについては取るに足らないあなたが、現在、その場所で生存しているというその理由とは!?
一つの革命において世界が動いた!そして地球を支配するに至った。
現段階で、初めての人として属するとされている動物というのは「ホモ・ハビリス」となります。
「ホモ・ハビリス」は二百万年前の世界の人に属するものです。
その後は、人類の神経ネットワークについては気の遠くなる年月を費やして、成長に成長を繰り返し、「燧石のナイフ」と「尖った棒」それから「火」を活用することになります。
火を使用するというのは、非常にすごい発明なのですが、今の時代に比較すると、やっぱり緩やかな進化だと言えます。
これについては「DNAの進化の速度」と一緒だったという事なのでしょうか。
私たちは自分自身の日々の生活そのものを続けていくだけで、「より良くしよう」というような考えがなかったのです。
7万年前までは・・。
7万年前、「ホモ・サピエンス」であろうとも今は無き「ネアンデルタール人」でさえも大差がない人類であったのです。
「サピエンス」は手間の掛かる道具を作る事もなく、他の人類に対して、特にはっきりとした特長を持っておりませんでした。
更に解剖学からすれば8万年前の人類と、今現在の人類の間に大きな相違点はありません。
どういう状況になったのであるのかは未解決だという「ネアンデルタール人」は絶滅しました。
2万8千年前に消え去ったちょっとだけ異なった人類は「ホモサピエンス」と交雑し、DNA内で生存し続けてはいるのですがとは言ってもオリジナルはこの世界に存在していません。
今の時代に「ホモ・サピエンス」以外は生き残っていないという不自然さだけが残っています。
この答えにおいて、このような説が存在します。
それは7万年前を境に、「サピエンス」に信じられないほどの変貌が起きたという事です。
それは何かというと「認知革命」です。
最新式の研究においても、それがどうして起きたかということは、はっきりしていません。
ですが、実際には私達は何かを獲得しました。
他の人類、全体を倒せたその武器は「想像力」、それに「虚構」。
「ライオンが襲ってきたぞ!逃げろ!」
といったような危機的状況を知らせるというような、直接的なことは、他の動物であっても可能だと言えます。
しかしながら、私達がコントロールする言葉最大の特徴というのは、存在しないとされる情報を伝える能力だと考えられます。
見た事も、触れたことさえない存在に関して伝える能力。
「ライオンは我が部族の守り神だ」というような事を伝える能力。
こういう事は人だけにしか為し得ない芸当でありました。
私達の武器は虚構につきまして話す能力だったのでしょう。
「国家」「政治」「経済」「宗教」「芸術」・・・。
その全ては虚構から誕生したもの・・・?
このように考えてみると、確かに大きな革命です。
認知革命によって虚構が生み出され、他人と虚構を共有する事によって組織的に、私達は行動できるようになったのです。
協力を行なうには、お互いを信頼することが必要です。
交易についても協力とされるものです。
その基本としまして、集団で共有している虚構が「同一方向を向いている」ことが必要不可欠です。
まだ原始的な時代において、その方向を大きな存在は、明らかに宗教でありました。
その当時は、特に子供の死亡率が高い事、飢餓に陥る傾向にあることもあって、これらの生命の危機と精神的不安定から逃れるためにおいて、宗教というのはすごく役に立ったことが考えられます。
この協力によって、1グループ150人程度といったものがだんだん大きく拡大したグループが出来ていったとされています。
そのようにして文化は生まれていったのです。
文字や芸術あるいは高度なものはまったくなくて、集合体の中での共通規律レベルのものだったと考えられますが、「なんじゃこりゃー。」などというようなことは思ったりしないで下さいね。
赤信号を見て「止まれ」という事そのものが、素晴らしいことなのですから。
一旦、完成された文化というのは、絶対に変化と進化をやめることはありませんでした。
そうして、そのような中断しようがない変化の事を、私達は「歴史」と言い、その軌跡を集めています。
そのようにして、規則は「権力」をつくり出します。
どうしてかというと規則を作る人と、規律に従う人というのは絶対に分断されるのではないでしょうか!
その当時の権力の大きさはどのように算定していたのでしょうか。
理屈、そして神話。
どんな人にも負けない強い虚構を、前提条件としたかったのでしょう。
これを基本にした支配者達は、「武力」や「財力」を利用して「権力」を増やしていきます・・・。
こんな風に、おそらくどの時代も似たような感じなんだろうなとカンタンにイメージできますよね。
話は変わりますが、「認知革命」により取るに足らない私達は、「賢い人」という事となったといわれています。
そういう理由で、7万年くらい前に突然、世界中の様々な場所へ侵入して、他の人類を根絶にさせてしまったその武器は、「嘘」と言われる武器でありました。
集合体において力を合わせる事を覚えて、社会的、文化的な力を身につけた「サピエンス」に、虚構を持ち合わせていない他の人種が敵うはずなどありません。
「ネアンデルタール人」というのは、屈強で、ほとんどの場合、3~5人くらいの家族で活動していたので、仮に弱きものとしても150人で襲われてしまうとなると敵いません。
虚構なる力を獲得した「サピエンス」は、現在では地球上の覇者となったというわけです。
その先に見える世界
虚構をもってしまった私達は、目の前にある現実というのは、異なるものを見る事が出来るようになっていました。
その場にない危機的状況を見て、余分な狩りやストックを行っていきました。
未知は困惑をつくり出し、不安は脅威をつくり出しますから。
あなたに牙を剥く肉食動物を狩り、そして、危険になり得る「大型動物」を殲滅あるいは「家畜化」していくというわけです。
他の動物が数多く絶滅したとしても、私達は着々と開発を発展させていく道を選択し続けました。
私達は、その自分自身の生活自体をやり続けるという事はできないのです。
分かりやすく言うと、より良くしたいというわけです。
そのことが他の生物においてどんなに不利益であったとしても・・。
全てを確保しなくちゃ、不安なく夜も眠れないのです。
それは私もあなたも至極当然の事でしょう。
これが「賢い人」特有の本質であるが故に。
この「嘘」なる「偉大な武器」を片手に世界を支配下に置いてきた「ホモ・サピエンス。」
要するに、史上最も極悪な種だという私達が、未知を残すことを受け入れるというような事は考えられません。
人は弱いため、不安も恐怖も感じたくないのです。
そのようにしてある日、地球上において人類の敵がいなくなれば、ふっと、隣人を気にかけることでしょう。
「え?もうとっくに気にしている?」
人は嘘をつけるように変わりました。
秘密や架空の話、物語。
現実的に存在しない現象に関して言葉にする能力。
更に次の時代を語り、作るときにおいては、過去に見てきたみたいに、先人がそうしたみたいに、歴史に学んでいくのです。
現在の大きな虚構と考えられるものであるのがインターネットです。
そう遠くない未来「新しい虚構」が生じた時、あるいは「新しい何か」が誕生した時にどんな事を感じるのでしょうか。
仮に「ホモ・サピエンス」を撲滅するより優秀な、人に匹敵するナニかが発現したら、そいつが成長する直前に予め、除去してしまうことは、罪なのでしょうか?